【山梨】増富の伝統「凍み大根作り」をイベントにしました

 
 
 

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山梨県北杜市の増富温泉郷は冬モード

山梨県北杜市の増富温泉郷で活動している「増富BASE」の西川です。

冬本番、日に日に寒さが増してきています。みなさん、いかがお過ごしでしょうか?

標高1000メートルの山梨県北杜市須玉町の増富地区。この時期は最低気温が氷点下10くらいまで下がります。(もっと下がることも)

冬の間は畑に作物が実りません。地面が凍結してしまうからです。

春から秋にかけて、様々な色に姿を変え我々の目を楽しませてくれていた山も、今はもう木々の枯葉が落ちてまっ茶色。遠くからでも獣道を行く動物の姿が見えるほどです。当然、山の恵みも今はありません。

昔の人々はそんな厳しい冬の環境を何とか元気に乗り越える必要がありました。

そこで、知恵を絞って考え出されたのが、様々な加工品です。

味噌や麹、漬物などの発酵食品、そしてフリーズドライ食品。中でも「凍み大根(しみだいこん)」は、冬の増富で食いつないでいくために、昔の人々が生み出した知恵の結晶の1つです。

寒いからこそ作ることができる加工品として、地域内で伝統的に作られてきました。

 

高齢化が進む増富ラジウム温泉峡、伝統的な食文化が途絶えるピンチ

とてもとても広い増富地区。その中でも私たち増富BASEが活動している「増富ラジウム温泉峡」付近には、「平成の名水百選」に選ばれた「金峰山・瑞牆山源流」の1つである「本谷川」が流れています。

この一帯では、本谷川の清らかな流れを利用した凍み大根作りが行われてきました。

ところが、現在では増富ラジウム温泉峡に「作り手」がいなくなってしまいました。

最後の作り手だったおばあちゃんは「作っても作っても獣に食べられて、身体も辛いしもう充分」だと、作るのを止めてしまいました。

しかし、周囲の人たちに話を伺うと「あのおばあちゃんの作る凍み大根がとても美味しかった」と教えられました。

その話を聞いた私たちはある日から「なんとか凍み大根作り復活させたい、食べてみたい」と思うようになり、昨年、実際に凍み大根作りにトライしました。

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「凍み大根作り」をイベント化してみました

そして今年、他の人たちにも凍み大根作りを体験してもらえればと考え、増富BASE主催で体験イベントを開催しました。

・凍み大根作りイベントの詳細
http://chiikitecho.net/3229/

記念すべき第1回は、最低でも10年は続けることを目標に「1月11日」に開催しました。とても寒い中、集まってくださったのは県内外からお越しいただいた15名の皆さん。

同じ山梨の「ちい記者」仲間である井口さん(道志村)、蔦木さん(なんと増富地区在住)のお二人にもお越しいただきました。地域手帖のご縁で集まる事ができました。

・井口さんのちい記者情報
http://chiikitecho.net/200/

・蔦木んのちい記者情報
http://chiikitecho.net/3008/

 

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軽トラ1台分の大根で豪快な凍み大根作り

さて、スタートは10:30だったんですが、皆さんの集合が早くて、それより前から始めました。

用意した大根は300本、軽トラック1台分です!前日の土曜日に、増富地区から車で15分ほど降ったところにある、仁田平という地区で畑をやっている友人に分けてもらいました。

「300本くらいあっという間だ!」と思っていたんですがとんでもない。もう当分、大根を見るのが嫌になるくらいの量です。

増富温泉郷唯一の民宿「溪月」の小森さんと令子さんに全面バックアップいただきながら、ご参加いただいた皆さんと一緒に、300本の大根との格闘です。

 

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まず、大根をよく洗います。お湯を使って洗いましたが、なんせ寒い中。あっという間に冷たくなってしまいます。それでも皆さん、たわしを片手にゴシゴシ洗ってくださいました。

次に、大根の皮をピーラーで剥きます。かなりの量がありますから大変な作業です。作業台はあっという間に大根の皮だらけに。ものすごい量の大根の皮は、我々の畑の堆肥に入れました。これらはいずれ、畑の肥やしになってくれます。

 

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皮を剥いた大根は、2〜3㎝くらいの厚みの輪切りにします。

 

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切った大根は沸騰した羽釜に入れます。大根を茹でる行程です。この作業にとても時間が取られました。大根が多い分、なかなか煮上がらない。

時刻はちょうど12:00、大根が早く煮上がることを祈りながら、昼食です。

美味しいお昼ご飯を提供していただきました

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美味しいお昼ご飯を提供していただきました

北杜市が誇るブランド米の「武川米」のおにぎりと豚汁、そして去年作った凍み大根の煮物も皆さんに食べていただくことに。その他、大根と人参のなます、大根の煮物など溪月の女将さん、令子さんがどんどんおかずを出してくださいました。

茹でた大根葉を刻んで塩漬けにし、冷凍して保存していたものを、熱々のご飯に入れた菜飯のおにぎりはとっても美味しかったです。そうそう、豚汁には昨年我々が麹から作ったお味噌を入れました。

皆さんとお話ししながらのお昼のひと時、とても楽しい時間でした。

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凍み大根作りもラストスパート、いよいよ最後の行程へ

昼食後、ようやく大根が煮上がりました。熱々の大根をザルに上げ、少し冷ましてから今度は大根の真ん中に紐を通していきます。15個くらいの大根を通したら、紐を輪っかになるように結びます。吊るせるようにするんです。

この次の工程が増富ならでは。

 

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本谷川の上流の方に大根を持っていき、冷たい冷たい川に沈めます。

その状態で一昼夜。冷たい水に浸かることによってアクが抜けた大根を、屋根があって風通しの良い、日中は日が当たるところに吊るして作業は終了です。

あとは時折大根の乾燥具合をチェックしながら、1ヶ月半待つと凍み大根が完成します。イベントでは、前日に仕込んで川に浸けておいた大根を皆さんに吊るしていただきました。

 

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大根を吊るすと、寒さにどんどん凍り始めます。大根からは氷柱が!それだけ寒いところだからできるのが凍み大根。出来上がりが楽しみです。

イベント終了後、溪月の令子さんがおしるこを用意してくれました。薪ストーブを囲んで、おしるこの甘さと暖かさにほっこり。ご参加いただいたみなさんとのご縁に感謝しながら無事、終了しました。

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最後に

ご参加いただいたみなさん、本当にありがとうございました!そして、同じ「ちい記者」井口さん、蔦木さん、これからもよろしくお願いします!

※集合写真はイベント参加者の白倉隆則さんに撮影していただきました。ありがとうございました。

ご協力いただきありがとうございました

・増富ラジウム温泉郷の民宿「溪月」さん
http://www.journal.co.jp/yamanashi-onsen/area1/rajium/keigetu-frame.html

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