【長崎】あたたかなおもてなしが生まれるところ

 
 
 

1

こんにちは、うららかな春の陽気に誘われてあくびが止まらない、長崎県波佐見町の大石です。

今回の陶農日記では、3月に開催された陶農体験型観光(グリーンクラフトツーリズム)の「食の時間」を紹介します。

2

陶農体験型観光(グリーンクラフトツーリズム)とは?

波佐見町の特徴である「陶(窯業)」と「農(農業)」を体験してう観光プログラムが、陶農体験型観光です。町では「グリーンクラフトツーリズム」と呼んで、農業(グリーン)、窯業(クラフト)、観光(ツーリズム)が三位一体となって企画・運営に携わっています。

観光プログラムには、味噌と味噌甕を作る味噌塾や、酒と徳利を作る酒塾、波佐見焼を使った料理教室など、大人の心をくすぐるものがたくさんあります。今回は、人気プログラムのひとつ「ポーセラーツと椎茸狩り体験(日帰りツアー)」に注目しました。

ポーセラーツとは絵付け体験のことで、転写シートという絵柄入りのシールをやきものに貼り付けます。その手軽さから、絵が苦手な方でも気軽に自分好みの柄のやきものを作ることができます。

 

3

一方の椎茸狩りは、森の中の楠本農園で行います。市場に流通している生椎茸のおよそ8割が菌床栽培(工場で生産されたもの)ですが、農園では自然の中に設置した丸太に椎茸を生やすという原木栽培を行っています。天気などの自然の影響を直に受けることから、生産量が少なく、貴重な森のめぐみです。

窯業と農業の両方を体験できる内容ですが、このツアーの一番の魅力は採れたて椎茸とおばあちゃんの作る料理をいただく昼食です!

4

ツアーの目玉、郷土食豊かな昼食時間

ツアー参加者の食事は、地元の女性たちによってふるまわれます。

3月だというのにストーブが欠かせないほど冷え込む森の中の台所。大鍋からは真っ白な湯気が立ち上り、使い込まれた木製のまな板と包丁を握る指先は赤くなっていました。

重い鍋に冷たい水、大変だろうと思って女性たちの顔を覗き込むと、そこには溌剌とした笑顔がありました。

5時間近くかけて出来上がった料理は、煮しめ、白和え、鯨の煮物に卵焼き。それから押し寿司にだご汁など、長崎県の郷土色を映した家庭料理が勢ぞろい。和食の定番の白和えには、鯨の切り身が混ぜ込まれていました。

 

5

朝には曇っていた空も、食事の準備が整った正午過ぎにはすっきりと晴れたので、食事用のテーブルを居間から庭先に移動することになりました。懇親のおもてなしの御披露目を直前にして、空に負けないほど晴れ渡る女性たちの笑顔!

 

6

とても豪華なおもてなし料理になりましたね、と声をかけると、「わざわざお客さんに来ていただいて、私たちもとっても嬉しいんです。だから、あれもこれもしたくって。」と返ってきました。

7

バーベキューのために、自分の分の椎茸を狩る

地元の女性たちが台所で腕を振るっている頃、ツアー参加者は椎茸狩りを体験します。

まずは収穫の方法を農園長から教えてもらいました。椎茸の傘の裏側に指を入れ、アコーディオンのようにひだが開いていれば収穫適期。木から外す際には、軽く力を入れて…。慣れるまで意外とコツのいる収穫に「悪戦苦闘するのも楽しい」と言って、森の中には笑い声が響きます。

8

いよいよ、昼食の時間

収穫した椎茸は、庭先に準備されたおもてなし料理と一緒に昼食としていただきます。いよいよ、昼食の時間収穫した椎茸はポンポンと軽く叩いて、そのまま炭火で焼きます。

風に当たり、雨に打たれ、寒さに縮みながら育った椎茸は至極肉厚のため、菌床栽培のものと比較して火が通るのに長い時間がかかります。

「もう、いいかな?」と思って齧ってみたものの、まだまだ全然火が通っていなかったと、再び網の上に戻された椎茸がそこかしこに。

焼きあがるまで、郷土色豊かなおもてなし料理に舌鼓を打って待ちます。料理の数々から伝わってくる「来てくれて、ありがとう」という気持ちは参加者にも届いていたようで、「おもてなしの上質さに心打たれました」「ひとつひとつの料理に感動しました」という声が多く聞かれました。中には「自分の家を建てたい」と移住を夢見る方まで。

そうしているうちに、ようやく椎茸が焼き上がりました。味付けは、子供用はポン酢、大人用は酒と塩。シンプルながら、そのもののおいしさをひきたてる最高の調理法です。

コリコリ、ジュワ。口いっぱいに広がる森の香りと歯応えに、参加者からは感嘆の声が上がります。これまでに、お腹いっぱい食べたいと思うような椎茸を食べたことがあったでしょうか。

9

あたたかなおもてなしが生まれるところは、町の外と中が交わるところ。

昼食の時間を終えて

昼食が済み、楠本農園を去った参加者たち。途端にいつも通りの静け気さが集落に戻ってきました。周りはとても静かだけれど、心の中にはしっかりと暖かな想いが残っていました。

おもてなし料理は、集落に足を運んでくださった参加者への感謝の表現で、それに対して「おいしい」、「また来たいです」と口々に言う参加者の存在が全てのことが実を結んだ結果だと感じました。

この記事が気に入ったら
いいねで応援!

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう!

 
 
 

関連情報